久光製薬、自社研究がAMED事業に採択

 久光製薬は11月18日、日本医療研究開発機構(AMED)の先進的研究開発戦略センター(SCARDA)が公募した「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」に採択されたと発表した。「新型コロナワクチンを搭載したマイクロニードル型経皮ワクチンに関する研究開発」で、今後は国立感染症研究所と連携して進める。研究では、高分子が投与可能な久光のマイクロニードル技術「ハルディスクテクノロジー」を用いた新型コロナワクチンの免疫原性増強効果やメカニズムの解析を行う。

ツムラ、中国での規制緩和で提供できる処方が増加

 ツムラの加藤照和社長は11月8日に開いた24年度第2四半期の決算説明会で、中国の規制緩和により、現地で「すべての製造工程をツムラグループで実施可能となった」ことを明らかにした。同国政府の規制のもと、これまで外資系企業は、「飲片」(刻み生薬)を蒸したり、煮たりして薬効を高めるなどする「修治」という加工作業ができなかった。だが、今月1日に解除され、同社も現地で選別加工から製剤化までワンストップで行えるようになった。原料生薬を中成薬にするためには、選別加工、修治、抽出・分離・濃縮、製剤化といったプロセスを経る。中国では修治は広く普及しているといい、これができないと、提供できる処方が限られてしまう。今回の規制緩和を通じ、ツムラグループが現地で全製造工程を行えるようになり、提供できる処方は「相当、増える」見通し。処方の幅が広がることによって中国事業にとって「追い風になる」との認識を示した。

日本新薬、ビルテプソの再試験実施へ

 日本新薬の中井亨社長は11月13日、オンライン開催した24年度第2四半期決算説明会で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療剤「ビルテプソ」について、再試験を実施する意向を明らかにした。5月に発表した第Ⅲ相試験「RACER53」の主要評価項目未達を受けて「もう1度試験を行うと当社として考えている」と表明した。同剤は、国内では第Ⅱ相の結果などを踏まえ条件付き早期承認されており、RACER53試験は承認後に追加提出する検証試験にあたる。現在、同試験の解析結果などについて日本、米国当局とも協議中。

科研製薬、ニューマブと共同研究契約を締結

 科研製薬は11月15日、スイスのニューマブ・セラピューティクスと炎症性腸疾患治療薬「ND081」について共同研究契約を締結したと発表した。契約一時金として約1300万フラン(同日レートで約22億7300万円)を支払い、開発は主にニューマブが担う。このほか、非臨床および臨床開発(POC試験まで)の資金提供と引き換えに、特定のアジア地域における商業化権を取得するオプション権を獲得した。両社は科研が米ジョンソン&ジョンソンに知的財産を譲渡したアトピー性皮膚炎治療薬「NM26」でも共同研究契約を結ぶなど、以前から提携関係にある。

アルナイラム、アムヴトラを適応追加申請

 アルナイラムジャパンは11月11日、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(TTR-FAP)治療薬「アムヴトラ」について「トランスサイレチン型心アミロイドーシス」(ATTR-CM)の適応追加承認を申請したと発表した。同患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験「HELIOS-B」の結果をもとにした申請。国内では8月に同適応で希少疾病用医薬品に指定され、優先審査の対象となっているほか、米国とEUでも同様に適応追加申請している。

バイエル薬品、サイトキネティクスとライセンス契約

 バイエル薬品は11月19日、循環器領域の後期開発品を手掛ける米バイオ企業サイトキネティクスと閉塞性・非閉塞性肥大型心筋症薬候補の「アフィカムテン」の国内での開発と商業化に関する独占的ライセンス契約を締結したと発表した。契約に伴い、バイエルはサイトキネティクスに対して契約一時金を5000万ユーロ(同日レートで82億1250万円)、発売後のマイルストン達成に応じて最大9000万ユーロ(147億8250万円)のほか、特定の売上げマイルストンを達成した場合に最大4億9000万ユーロ(804億8250万円)を支払う。また、サイトキネティクスは国内での売上げに応じた段階的ロイヤリティも受け取る。



ヤンセンファーマ、トアルクエタマブを国内申請

 ヤンセンファーマは11月20日、二重特異性抗体「トアルクエタマブ」(一般名)を国内申請したと発表した。適応は「再発または難治性の多発性骨髄腫」。国際共同第Ⅰ/Ⅱ相試験「MonumenTAL-1」、国内第Ⅰ相「MMY1003」の結果に基づき実施した。同剤はT細胞表面に発現するCD3受容体と、多発性骨髄腫細胞表面に高発現するGタンパク質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD(GPRC5D)に結合し、T細胞を介してがん細胞を攻撃する。海外では23年にFDAから迅速承認、欧州委員会から条件付き販売承認を取得している。