CHMP、レケンビの販売承認を勧告
欧州医薬品庁(EMA)は11月14日、エーザイ/米バイオジェンの早期アルツハイマー病(AD)治療薬「レケンビ」について、欧州医薬品委員会(CHMP)が販売承認を勧告したと発表した。問題視されていた脳内の重大な副作用のひとつ「アミロイド関連画像異常」(ARIA)は、発生リスクの低い患者集団に絞り込んで解析した結果「ベネフィットがリスクを上回る」との結論に至った。今後、CHMPの意見を元に欧州委員会が正式に販売承認を決定する。
ビンゼレックス、HS治療薬で米国承認
米国食品医薬品局(FDA)は11月20日、ベルギーUCBの「ビンゼレックス」を中等度〜重度の活動性汗腺膿瘍性汗腺炎(HS)治療薬と承認した。第Ⅲ相試験ではビンゼレックス群ではプラセボ群に比べ、16週目にHiSCR50で測定されるHSの徴候と症状が50%以上改善する割合が高かった。副次的評価項目である16週目HiSCR75でも、プラセボと比較してビンゼレックス投与群で臨床的に意義のある改善が認められた。
メルク、ラノバのLM-299を導入
米メルクと中国ラノバ・メディシンズは11月19日、ラノバが保有するPD-1/VEGF二重特異性抗体に関する独占的ライセンス契約を締結したと発表した。メルクは「LM-299」の開発・製造・商業化に関する独占的グローバルライセンスを獲得することで、がん領域のパイプラインを拡大する。ラノヴァは5億8800万ドルの契約一時金を受け取り、複数の適応症でのLM-299の技術移転、開発、薬事承認、商業化に関連するマイルストンとして最大27億ドルを受け取る可能性がある。
エラヘアが特定の卵巣がんで欧州承認
欧州委員会は11月18日、米アッヴィの「エラヘア」を承認した。FRα陽性でプラチナ製剤抵抗性の高悪性度漿液性上皮性卵巣がんや卵管がん、原発性腹膜がんに対する治療薬で、1〜3種類の全身療法を受けたことのある患者に使用できる。卵巣がん患者の約35%〜40%がFRαを発現しており、これは同薬が特異的に標的とするバイオマーカーである。第Ⅲ相試験では標準化学療法と比較して、病勢進行または死亡のリスクを35%減少させた。
ボストンファーマのMASH薬が好結果
英ボストン・ファーマシューティカルズは11月16日、FGF21アナログ「エフィモスフェルミン」(BOS-580)の第Ⅱ相試験の結果を発表した。肝臓の線維症を改善し、代謝異常関連脂肪肝炎(MASH)を解決する可能性があると報告した。MASH患者が参加した第Ⅱ相ではMASHの悪化なしに肝線維化が少なくとも1段階改善した被験者の割合がプラセボ群の20.6%に対し、エフィモスフェルミン群では45.2%となった。この結果を受けて、25年に第Ⅲ相へ移行する予定だ。
ノバルティスとシュレーディンガーが研究提携
スイス・ノバルティスと米シュレーディンガーは11月14日、ノバルティスが開発・商業化する複数の新薬を前進させるため、24億ドルを超える研究提携とライセンス契約を締結した。ターゲットは未公表だが、ノバルティスの重点領域は心血管、腎臓、代謝性疾患、免疫学、神経科学、腫瘍学がある。シュレディンガーは開発候補品の探索し、ノバルティスは臨床開発、製造、国際的商業化を担当する。