前回まで2回にわたって、岡本圭生医師の小線源治療に関連した有害事象の調査結果を滋賀医科大学が裁判所に提出するまでの経過を見てきた。滋賀医大の一連の行為は、「医療安全管理」を名目としながら、実質的には裁判対策のための証拠作りだった、と言っても過言ではない。調査は手続き面で著しく透明性を欠いていた。有害事象の評価を担当した事例調査検討委員会に外部委員として参加した医師の1人は、外部委員全員が一堂に会してすべての事例について合議していないことを理由に、岡本医師の治療に起因する重篤な合併症が本当に13例もあったのか、という疑問を口にしていた。