今年は1月1日の能登半島地震に始まり、豪雨や台風などの自然災害のニュースが絶えない1年であった。南海トラフ地震へのカウントダウンかのように、各地で揺れが続いたこともあり、防災意識も高まったのではなかろうか。
私の住む東北地方の三陸沿岸地域も決して他人事ではない。というのも、30年スパンで発災すると言われてきた宮城県沖地震の発生確率が最近、70〜90%に引き上げられたからだ。詳細について筆者は不勉強なのだが、地震メカニズムの異なるタイプの東日本大震災はカウントされず、また前回は1978年に発災したことから、今日にその時が来ても不思議ではないということになる。地震被害が予想される地域での防災はもちろん、支援に回る可能性も考慮した備えにも意識が高まる。
年末に差し掛かり、この1年を振り返るとき、政治への不信や物価高騰の話題が絶えない国内に限らず、この世界に心穏やかに過ごせている人はどれだけいるのだろうと地球儀を眺めて思う。侵攻や侵略への不安で、文字通り生きた心地のしない人々が、80億を超える人類の大半ではなかろうか。一層のこと、政治や世界情勢に無関心な輩のほうが穏やかでいられるかもしれない。