ロシュのチラゴルマブ、OSの主要評価項目未達
スイス・ロシュは11月26日、新規免疫チェックポイント阻害剤の抗TIGIT抗体「チラゴルマブ」(一般名)を評価した国際第Ⅲ相試験「SKYSCRAPER-01」で全生存期間(OS)の主要評価項目を達成できなかったと発表した。抗PD-LI抗体「テセントリク」と併用してPD-LI強陽性の非小細胞肺がんの1次治療を対象に検討していた。チラゴルマブは非小細胞肺がんの試験で失敗が続いている。非小細胞肺がんが対象の同試験以外にも、進展型小細胞肺がんの1次治療を対象にした第Ⅲ相「同02」、未治療の非扁平上皮非小細胞肺がんが対象の第Ⅱ/Ⅲ相「同06」のいずれも主要評価項目が未達だった。
イプセン、バイオミュネックスと提携
仏イプセンは12月4日、仏バイオミュネックス・ファーマシューティカルズが前臨床開発を進めているT細胞エンゲ—ジャー 「BMX—502」の独占的国際販売権を最大6億1000万ドルで取得すると発表した。BMX—502は二重特異性抗体で、GPC3腫瘍抗原を標的としてがん細胞を殺傷するようデザインされている。イプセンは第Ⅰ相試験とその後の臨床開発、世界的な商業化を担当し、バイオミュネックスは売上高に対するロイヤリティに加え、契約一時金や開発、規制、商業上のマイルストンなどを受け取る権利を得ることになる。
ジャヌックス、JANX007が好結果
米ジャヌックス・セラピューティクスは12月3日、前立腺がん治療薬「JANX007」の第Ⅰ相試験で有望なデータを得たと発表した。中央値で4ラインの前治療を受けた評価可能な「プルビクト」未治療患者16例から得られたデータに基づくもの。JANX007を投与された16例全員が前立腺特異抗原 50%以上(PSA50)の減少を達成した。さらに、患者の75%が12週間以上経過した時点でPSA50の低下を維持した。JANX007の新たなアップデートは、25年を予定する。
ルンドベック、ロングボードの買収完了
デンマークのルンドベックは12月3日、神経希少疾患研究に特化した米ロングボード・ファーマシューティカルズの全発行済み株式の買収が完了したと発表した。この取引は株式価値で約26億ドル。ロングボードの発行済み普通株式に対する公開買付けは11月27日午前0時過ぎに終了した。ルンドベックは公開買付の条件に従い、有効な応募株式すべてを受理、速やかに取引を決済する予定。
GSK、髄膜炎菌感染症ワクチンが欧州承認
欧州委員会は11月29日、英グラクソ・スミスクラインの「メンベオ」について、完全液体型の製品を侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)に対する2歳以上の予防薬として承認した。EU規制当局の新剤形に関する決定は欧州医薬品庁(EMA)医薬品評価委員会の勧告に従ったもので、2つの後期第Ⅱ相試験で得られた良好な結果に裏付けられたもの。完全液剤ワクチンも既存の製剤と同等の免疫原性、忍容性、安全性プロファイルを有していることが示された。