「田辺三菱製薬10%台前半」
25年度薬価・中間年改定での引き下げ率に関し、本誌が製薬各社にアンケート調査を行ったところ(40社中37社が回答)、唯一2ケタのマイナスと回答したのが田辺三菱だった(表1参照)。
25年度改定では、改定対象品目について平均乖離率の「0.625倍超」という一律の線引きをやめ、医薬品のカテゴリーごとに改定対象範囲を設定した。具体的には、平均乖離率(5.2%)を基準に、新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象品目、後発品、「その他品目」(1967年以前に収載)はその1.0倍(5.2%)、新薬創出加算品以外の新薬は0.75倍(3.9%)、長期収載品は0.5倍(2.6%)をそれぞれ超える品目を改定対象とした。
田辺三菱は長期収載品比率が高いことから、改定対象が拡大されたことが相当に響いた。もちろん、最低薬価を剤形ごとに一律で3%程度引き上げたことや、過去2回の改定より限定的ながらも不採算品再算定が実施されたことなど、低薬価品の下支えによるプラス効果もあったが、引き下げ品目によるマイナス影響を吸収できなかった。
何よりもトップ製品の「ステラーラ皮下注45㎎シリンジ」(ヤンセンファーマと提携)が、今回の中間年改定で初適用の新薬創出加算の「累積額控除」(返還)に該当。1年前倒しでの返還を強いられ、薬価が40.8%の大幅減となったダメージが大きかった。
ほかにも、小野薬品(3%台前半)は「グラクティブ錠50㎎」が新薬創出加算の累積額控除で25.1%減。日本新薬(2%台半ば)は「エリザス点鼻粉末200μg 28噴霧用」が同様に累積額控除で27.6%減。住友ファーマ(1.9%)は「エクア錠50㎎」(ノバルティスファーマと提携)が、やはり加算返還により29.5%減となった。また、MSD(改定影響非開示)は、累積額控除で「ジャヌビア錠50㎎」が26.4%減、「ブリディオン静注200㎎」が37.5%減となった。