25年はGLP1市場が抜く
24年は表1のGLP1市場も表2の免疫腫瘍薬市場も540億ドル前後になったことから、2つの市場の売上げ推移をグラフで比較した(図)。抗肥満薬が限られていた20年までのGLP1市場は免疫腫瘍薬の半分以下だったが、23年に減量効果が高い「オゼンピック」と同成分の「ウゴービ」に加え、リリーの「マンジャロ」が急拡大し、142億ドル増の368億ドルとなり、免疫腫瘍薬の77%まで伸びた。24年の伸びは23年を上回る163億ドル増となり、免疫腫瘍薬の98%まで近づき530億ドルとなった。
糖尿病のGLP1を含む抗肥満薬市場は30年に1500億ドルという見方もあり、そうなれば免疫疾患薬を上回り、すべての抗がん剤市場に次ぐ世界2位の薬効となる。その2大薬効に強いアッヴィは、30年にも成長するためには今からでも抗肥満薬に進出すべきと判断したということかもしれない。