東日本大震災から14年。犠牲となった方々へ哀悼の意を表するとともに、この経験が将来の災害や復旧復興に活かされることを願ってやまない。


 医薬品流通が改善されない。欠品や出荷調整、製造中止による医薬品不足に見通しが立たない。思い起こせば20年、後発医薬品メーカーの不祥事発覚に起因する流通停滞が生じた時点では「数ヵ月もすれば解消するだろう」と呑気に構えていたが、その後の不祥事ドミノで泥沼化。度重なる薬価引き下げもあって、採算の取れない品目が製造中止になってしまうこと自体には理解もする。儲けの薄い日本の医療業界の将来を鑑みれば、私が製薬企業の経営者だとしても海外での商機に目を向けるだろう。


 それにしても、まぁ酷い現状だ。世の中の景気によらず人間は病気と背中合わせで生きているのだから、十分な医薬品が供給されるよう国政にはもっと真面目に取り組んで欲しいと切に願うが、不安定な政権や物価高の対応に追われる現状にあって医薬品流通が二の次に回されている気がしてならない。


 新型コロナウイルス禍では主に鎮咳薬をはじめとする風邪様症状の対症薬が品薄になりOTC薬に頼らざるを得ず、また能登半島地震の時には抗インフルエンザ薬や抗生物質、ヨード消毒液が入手困難になっていた。そこからたいして改善されていない現状で、もし大型地震が発災してしまったら、外傷患者の発生が多く見込まれる被災地区への医薬品の供給などできたものではない。