調剤薬局では、経口抗がん剤のストックに関して非常に悩ましい問題を抱えている。抗がん剤の投与は患者の重症度の具合などによって、用量が変化したり、薬剤そのものが別のものに切り替わったりするケースが多々ある。その際、在庫管理がひとつの薬局では困難なケースも生じているようだ。調剤薬局チェーンなど大型多店舗施設なら対応できるかもしれないが、地域密着型の中小調剤薬局は処方箋を発行した医療機関、近隣の調剤薬局といかにコミュニケーションを密にしていくか、薬剤師の腕の見せ所だ。


 がん薬物療法で不可欠な制吐剤への対応についても、薬剤師の関与に関して改善の余地が高い。軽度〜高度催吐性リスク評価と制吐療法など日本癌治療学会のガイドラインが参考になるものの、嘔吐が制御できない患者が来局した場合は丁寧に対応すべきだろう。