患者管理の徹底も節減とは

 医師、病院を軸に住民に包括的にケアを提供する組織体=アカウンタブル・ケア・オーガニゼーション(ACO)、医師を中心に医療専門職がチームとしてケアにあたるプライマリ・ケア診療活動(メディカル・ホーム)、治療・処置・回復期を包括する症例単位(関節部置換は90日)はどれも、質標準をクリアした。地域の医療費、患者個々の健康状態(リスク)を勘案したベンチマーク以下に費用を抑えれば、節減をメディケアと分け合う基本に立つものの、数十億ドルの赤字プロジェクトもあった(表1)。



 診療機関、診療行為、患者の個々の詳細データを統合した支出指標に比べて、財政影響を測るが、最新の正確なデータそのものが課題だ(表2)。患者の健康状態や地域性を調整する必要がある。



 自主選択制が原則、有利な条件にある医師・病院だけが入ってくる。企画参加に不可欠な態勢整備の前払い、フィーを上乗せしての化学療法やプライマリ・ケア医の患者管理・指導の徹底は合理的だが、実施前後のグロスの費用は減っても、追加費用を差し引いたネットでは「赤字」になる(表3)。



 初期の試みを反省して新規格で進めた企画も財務結果の改善は約束されなかった。最大の赤字企画、包括的PC企画はその典型である。


 志向した参加義務制は第一次トランプ政権で抑えられ、財政結果による報奨と返済(罰金)の強調は効果的だが、診療提供者に混乱と参加敬遠を生んだ。一次政権の最後の1年のCMMIを指揮したブラッド・スミスの党派性を抑えた評価は、バイデン政権の新企画に橋渡しされ、今またトランプ第二次政権の指揮で進められようとしている。