NICE、ソビの重症血友病A治療薬の推奨を勧告
スウェーデンのソビは3月4日、仏サノフィと提携している「オルツビーオ」について、英国立医療技術評価機構(NICE)が2歳以上の血友病A患者の出血の治療と予防投与を推奨したと発表した。同薬は週1回の注射剤で、欠乏している血液凝固第Ⅷ因子を補い、障害を一時的にコントロールする。治験では週1回投与により、1年間の試験期間中に全体の65%の患者の出血エピソードがゼロとなり、残りの35%では出血エピソードが大幅に減少した。
CHMP、ビジュヴェックを萎縮性表皮水疱症薬として推奨
欧州医薬品庁(EMA)医薬品委員会(CHMP)は3月3日、ジストロフィー性表皮水疱症薬として米クリスタル・バイオテックの「ビジュヴェック」の承認を推奨した。正式承認されれば、年齢を問わず、すべての患者に用いることができる。治験は平均年齢17歳の患者31人を対象にビジュヴェックとプラセボを比較した。治療開始3ヵ月、6ヵ月時点での創傷の完全治癒は、ビジュヴェック群で71%、67%だったのに対し、プラセボ群は20%、22%にとどまった。
エンハーツ、転移再発乳がんで承認勧告
第一三共は3月3日、抗HER2抗体薬物複合体「トラスツズマブ デルクステカン」(製品名「エンハーツ」)について、EMAのCHMPが承認勧告したと発表した。適応は「HR陽性かつ、HER2低発現またはHER2超低発現の転移再発乳がん」で、1つ以上の内分泌療法を受け、かつ次の治療に同療法が適切でない患者を対象に、承認を推奨する肯定的見解が示された。今後、欧州委員会(EC)で審議され、承認可否は数ヵ月以内に決定される見込みとしている。
EMAが「レケンビ」承認勧告で意見更新の必要なし
EMAは2月28日、CHMPの概要を公表した。このうち、エーザイ/米バイオジェンの早期アルツハイマー病治療薬「レケンビ」について「販売承認を推奨する意見を更新する必要はない」との結論を下した。同薬をめぐっては、24年11月にCHMPが販売承認を勧告していたが、その後の安全性情報に基づいて意見の更新が必要か判断するとしていた。今回のCHMPの結論を受けて、今後、欧州委員会が正式に販売承認するか決定するプロセスに入る。
モデルナの鳥インフルエンザ治療薬、米国契約が凍結の可能性
米国保健福祉省(HHS)は2月27日、mRNAワクチン技術への支出を精査するため、HHSの一部門から米モデルナへ提供してきた鳥インフルエンザワクチン製造に関する契約を再評価していると伝えた。モデルナは、バイデン政権末期に5億9000万ドルに上る契約を米政府と締結していた。新型コロナウイルスワクチンの売上げが減少しているため、資金提供が撤回された場合、モデルナは今後の大規模臨床試験を進めるうえで厳しい状況に直面することになる。
リリー、米国内の4つの新製造拠点に270億ドルを投資
米イーライリリーは2月28日、約270億ドルを投じて米国内に4つの医薬品製造拠点を新設する計画を発表した。同社は国内での医薬品生産を増やすことを、ひとつの目的として掲げており、20年以降の同社の米国での資本拡張の投資総額は500億ドル以上となる。イーライリリーによると、4つの製造拠点は今年中に着工、5年以内に患者に提供する医薬品の製造を開始する。