医薬品の適応外使用(off-label use)とは、承認されている以外の効能・効果を目的とした、または承認されている以外の用法・用量を使用する医療行為をさす。つまり、医薬品の適応と用法・用量について、承認外の使い方をした場合を「適応外使用」という。 少し古い実態調査であるが、約5割の医師は適応外使用の経験があり、「文献などの根拠があれば医師の裁量で行うべき」と考える医師は43%、「保険上のルール違反なので行うべきではない」が13%との報告がある。 適応外使用が問題になる理由のひとつは、医療保険が認められない点である。医薬品の適応外使用の医療は全額自己負担になるか、減額処置(特定療養費制度)がとられる。これはわが国の保険診療は、薬事法で承認された適応の範囲内をカバーする仕組みになっているからである。これを逃れるために、いわゆるレセプト病名(保険審査の査...
医薬品の適応外使用(off-label use)とは、承認されている以外の効能・効果を目的とした、または承認されている以外の用法・用量を使用する医療行為をさす。つまり、医薬品の適応と用法・用量について、承認外の使い方をした場合を「適応外使用」という。 少し古い実態調査であるが、約5割の医師は適応外使用の経験があり、「文献などの根拠があれば医師の裁量で行うべき」と考える医師は43%、「保険上のルール違反なので行うべきではない」が13%との報告がある。 適応外使用が問題になる理由のひとつは、医療保険が認められない点である。医薬品の適応外使用の医療は全額自己負担になるか、減額処置(特定療養費制度)がとられる。これはわが国の保険診療は、薬事法で承認された適応の範囲内をカバーする仕組みになっているからである。これを逃れるために、いわゆるレセプト病名(保険審査の査定を