組換えヒト成長ホルモン(ソマトロピン)の後発製剤、オムニトロープ(サンド)について、オーストラリア医薬品局は04年9月、欧州医薬品審査庁(EMEA)は06年4月、米国食品医薬品局(FDA)は06年5月末に承認した。承認の実態を克明に記したのは、オムニトロープの承認審査が異様なプロセスを辿ったからである。 欧州は承認取得方法の法的根拠の問題から論議が繰り返され、米国ではサンドがFDAを提訴し、連邦地裁は判断を早めるようFDAに指示する珍しい経緯を経て承認された。この背景にはバイオ医薬品の特許が切れた製品の「後発生物類似医薬品」の評価法と取り扱いの法制化が遅れていることがある。一般的には「バイオジェネリック薬」または「バイオ後発医薬品」に該当する製剤でありながら、ジェネリックや後発医薬品とは言わないところに生物学的製剤の特殊性と難しさがある。 今日の大半の医薬...
組換えヒト成長ホルモン(ソマトロピン)の後発製剤、オムニトロープ(サンド)について、オーストラリア医薬品局は04年9月、欧州医薬品審査庁(EMEA)は06年4月、米国食品医薬品局(FDA)は06年5月末に承認した。承認の実態を克明に記したのは、オムニトロープの承認審査が異様なプロセスを辿ったからである。 欧州は承認取得方法の法的根拠の問題から論議が繰り返され、米国ではサンドがFDAを提訴し、連邦地裁は判断を早めるようFDAに指示する珍しい経緯を経て承認された。この背景にはバイオ医薬品の特許が切れた製品の「後発生物類似医薬品」の評価法と取り扱いの法制化が遅れていることがある。一般的には「バイオジェネリック薬」または「バイオ後発医薬品」に該当する製剤でありながら、ジェネリックや後発医薬品とは言わないところに生物学的製剤の特殊性と難しさがある。 今日の大半の医薬品は