今日、「育薬」という言葉はどれほど知られているのだろうか。病院勤務の薬剤師さんや企業の製品情報に関わる人たちには知られているのだろう。あるいは、最近は製薬協が盛んに育薬をPRしているから、もう少し広く行きわたっているとも考えられる。 育薬という言葉は「創薬」に対応する言葉として作られたものである。つまり、「薬を創る」に続いて重要なプロセスとされる「薬を育てる」から来ている。薬が承認されるまでの過程を創薬と言い、承認された薬に対して、さらなる情報を収集・付加・伝達しながら、より有用性の高い薬に育ててゆくことを育薬という(以前、創薬の後半プロセスを育薬とする考え方もあったが現在は適用されない)。 新生児や幼少児と成人の扱い方が異なるように、新薬の発売時には、既存薬とは異なった特別の扱いをする必要があるというのが育薬の思想である。 治験と実...
今日、「育薬」という言葉はどれほど知られているのだろうか。病院勤務の薬剤師さんや企業の製品情報に関わる人たちには知られているのだろう。あるいは、最近は製薬協が盛んに育薬をPRしているから、もう少し広く行きわたっているとも考えられる。 育薬という言葉は「創薬」に対応する言葉として作られたものである。つまり、「薬を創る」に続いて重要なプロセスとされる「薬を育てる」から来ている。薬が承認されるまでの過程を創薬と言い、承認された薬に対して、さらなる情報を収集・付加・伝達しながら、より有用性の高い薬に育ててゆくことを育薬という(以前、創薬の後半プロセスを育薬とする考え方もあったが現在は適用されない)。 新生児や幼少児と成人の扱い方が異なるように、新薬の発売時には、既存薬とは異なった特別の扱いをする必要があるというのが育薬の思想である。 治験と実地診