「コレステロール」や「高脂血症」は専門用語としてよりも、むしろ日常会話で普通の言葉として使われている。生体内のひとつの成分の名称、それもカタカナ語が、老人や主婦の間で何のためらいもなく使われていることに、誰も奇怪にも不思議にも思わないが、これは誠に不可思議な現象である。しかも、コレステロールは、副腎皮質ホルモン、性ホルモンや胆汁酸を作る原料であり、生体膜の成分など人間にとって非常に重要な働きをしているにもかかわらず、あたかも厄介者かトラブルメーカーの如く診療所の片隅で語られている。07年はこのコレステロールや高脂血症に異変が起きた年である。高脂血症よさようなら、「脂質異常症」よこんにちはという新しいガイドラインが日本動脈硬化学会から発表された。 高コレステロール血症の診断基準は87年の動脈硬化学会で、総コレステロールは220/㎗超、トリグリセ...
「コレステロール」や「高脂血症」は専門用語としてよりも、むしろ日常会話で普通の言葉として使われている。生体内のひとつの成分の名称、それもカタカナ語が、老人や主婦の間で何のためらいもなく使われていることに、誰も奇怪にも不思議にも思わないが、これは誠に不可思議な現象である。しかも、コレステロールは、副腎皮質ホルモン、性ホルモンや胆汁酸を作る原料であり、生体膜の成分など人間にとって非常に重要な働きをしているにもかかわらず、あたかも厄介者かトラブルメーカーの如く診療所の片隅で語られている。07年はこのコレステロールや高脂血症に異変が起きた年である。高脂血症よさようなら、「脂質異常症」よこんにちはという新しいガイドラインが日本動脈硬化学会から発表された。 高コレステロール血症の診断基準は87年の動脈硬化学会で、総コレステロールは220/㎗超、トリグリセラ