約10年前に「創薬」という言葉に対応して「育薬」という言葉が生まれ、関係者の間で活用されている(本欄5回参照)。 最近、「食育」という言葉が一般市民の間で汎用されるようになってきた。ここでいう「薬育」とは、多分この食育という言葉に刺激を受けて薬系の識者が創った新生語であろうと推察する。 そもそも食育とは何か。食育・食生活指針の情報センターによると、「国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食生活の継承、健康の確保が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を身につけるための学習等の取組みを指す」とある。 食育という言葉のルーツは明治31年(1898年)石塚左玄の著書『通俗食物養生法』に「今日、学童を持つ人は、体育も智育も才育もすべて食育にあると認識すべき」と書き、明治36年、村井弦斎(報知新聞)が、小...
約10年前に「創薬」という言葉に対応して「育薬」という言葉が生まれ、関係者の間で活用されている(本欄5回参照)。 最近、「食育」という言葉が一般市民の間で汎用されるようになってきた。ここでいう「薬育」とは、多分この食育という言葉に刺激を受けて薬系の識者が創った新生語であろうと推察する。 そもそも食育とは何か。食育・食生活指針の情報センターによると、「国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食生活の継承、健康の確保が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を身につけるための学習等の取組みを指す」とある。 食育という言葉のルーツは明治31年(1898年)石塚左玄の著書『通俗食物養生法』に「今日、学童を持つ人は、体育も智育も才育もすべて食育にあると認識すべき」と書き、明治36年、村井弦斎(報知新聞)が、小説『