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保険外併用療養費制度

2023/09/04 会員限定記事 編集履歴

言葉が動かす医薬の世界 59

 先般、東京地裁は「混合診療禁止の厚生労働省の解釈・運用に法的根拠はない」との判断を示し、国の主張は退けられた。しかし、国は「基本的原則は曲げない」と控訴した。門外漢の薬剤師である筆者には、まさか国が法違反を犯していたとは信じられず、法とは難しく厄介なものだと痛感した。 これを受けて、でもないだろうが規制改革会議は混合診療の原則自由化を掲げて厚労省と協議を進めている。混合診療の論議がまた喧しくなってきた。ここでは、混合診療(本欄6に掲載)を論ずるのではなく、混合診療を語るうえで、現行の「保険外併用療養費制度」を知る必要があろうと考え、取り上げた。 健康保険では、保険が適用されない療養を受けると保険診療分の費用を含めて医療費の全額が自己負担になる。しかし、療養に関わる患者のニーズは多様化するとともに医療技術の進歩も著しい状況にあり、例えば、...  先般、東京地裁は「混合診療禁止の厚生労働省の解釈・運用に法的根拠はない」との判断を示し、国の主張は退けられた。しかし、国は「基本的原則は曲げない」と控訴した。門外漢の薬剤師である筆者には、まさか国が法違反を犯していたとは信じられず、法とは難しく厄介なものだと痛感した。 これを受けて、でもないだろうが規制改革会議は混合診療の原則自由化を掲げて厚労省と協議を進めている。混合診療の論議がまた喧しくなってきた。ここでは、混合診療(本欄6に掲載)を論ずるのではなく、混合診療を語るうえで、現行の「保険外併用療養費制度」を知る必要があろうと考え、取り上げた。 健康保険では、保険が適用されない療養を受けると保険診療分の費用を含めて医療費の全額が自己負担になる。しかし、療養に関わる患者のニーズは多様化するとともに医療技術の進歩も著しい状況にあり、例えば、保険

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