シリーズ『くすりになったコーヒー』


 以前に紹介した「コーヒーの抗ウイルス作用(第111話)」「コーヒーは薬の効果予測因子(第110話)」の内容が、日本経済新聞(11月20日の日曜版)に載っています。



 コラムを書いたのは中村雅美さん。日経新聞の編集委員で、今は江戸川大学の教授です。これからは若い人たちに「薬では叶えられない食生活の基本」を是非教えて頂きたいと思います。高齢化社会を元気で生き抜く秘訣を・・・です。


 ところで、コラムの最後に書いてある「コーヒーの飲み過ぎ」とは一体どういうことでしょうか?「飲み過ぎが心配な人」はご一緒に考えましょう。


●好きでもないし、美味しいとも思わないのに、身体によいからと言ってがぶ飲みすること。


 そういうことだと思います。ご飯やパンだって食べ過ぎれば害になります。ましてやコーヒーは病気を予防するという、いわば予防薬という薬ですから、飲み過ぎの副作用があっても不思議はありません。


 コーヒーの飲み過ぎに物差しはありません。同じ人でも日によって違うでしょうから、


「今日は何故かコーヒーを飲みたくない」と感じた日には飲まなければよいのです。それを「身体によい飲みものだから、無理して飲む」としたら、これは飲み過ぎということではないでしょうか?デスクワークのサラリーマン諸氏は要注意です。


 中国古典に「中庸」という言葉があります。日本の諺では「過ぎたるは及ばざるが如し」とよく言います。食べものに限れば「腹八分目」ですし、酒好きの人には「酒は飲んでも飲まれるな」というように、何事も「ほどほど」がベストなのです。コーヒーについては、今のところ「中庸」を意味する飲み方の言い回しはありません。


●コーヒーは ほどほどで効く 予防薬


 取りあえず「たたき台」です。


(第119話 完)


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『医食同源のすすめ』のすすめ


昔からの言い伝えを侮ってはいけない!
「1日30種類の食材を食べていれば病気にならない」…昔からの言い伝え
「必須栄養素をガッチリ食べてカロリー制限していれば健康寿命が延びる」…先端科学
どちらも同じことを言っています。
言い伝えに耳を貸せば、間違った生活習慣を見直したり、病気を予防する食べものに気を配ったり、儲け本位の怪しい健康食品をボイコットしたり、本当に役立つサプリメントを選んだり、身体にあった大衆薬を買って飲んだり、医者にかかるタイミングを間違えないようになるのです。
 日々店頭に立つ薬剤師には「患者説明の豊富なヒント」、製薬会社のMRには「社会学的くすりのエビデンス」、アカデミアの研究者には「目から鱗の研究テーマ」、そして一般消費者には「確かな情報」を提供します。NHKスペシャルで大反響のレスベラトロールなど、ほんの一部に過ぎません。