新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したかも知れないと思ったとき、どうしたら良いでしょうか?PCR検査や抗体検査など、検査を受けること以外に、やることはないでしょうか?


●嗅覚・味覚障害は感染者の最大90%で確認されている(詳しくは →  こちら )。


 90%という高い確率でも、嗅覚障害を発症する原因は他にも色々あります。それでも感染患者の9割に異常が認められるからには、検査の簡便さから言って、利用しない手はありません。昨年、阪神タイガースの藤浪選手は、異常に気づいたことが切っ掛けで、直ぐにPCR検査を受けて、治療に専念したそうです。その甲斐あって見事に復帰しています。「たかが匂いなんかで」と軽く見ずに、日に1度は意識的に匂いに気配りしては如何でしょうか?


 自分で気づいて「嗅覚障害かも知れない」と感じて、検査を受けたいと申し出ても、それだけでは公的機関のPCR検査や自己隔離の対象にはなりません。ですから異常を持ったまま普段と同じ行動習慣で生活するしかありません。もし本当に感染していれば、更なる感染拡大につながってしまう恐れが大きいと指摘されています。簡単に受けられる嗅覚テストがあって、それで陽性となれば、自ら自粛して感染拡大を減らせる可能性があるのです。そして我慢の自粛中に、倦怠感、発熱、咳などが出てくれば、次なる行動も決まってくるということです。


●嗅覚・味覚検査でコロナウイルス感染を発見する具体的方法を書いた論文がある(詳しくは → こちら


 病院の日常臨床で行われている嗅覚テストは、手順や基準がきちんと定められているので、薬局やコーヒー店で行うには難があります。かといって嗅覚異常は本人が気づかないうちに進行している場合があるので、かかりつけ医や薬局、町のコーヒー店などに、テスト用の簡便な道具があれば客観的に判定可能と思われます。この論文には、そういう具体的なやり方が載っています。


●焙煎コーヒー豆とメントール結晶の匂いを嗅ぎ分ける検査。



 コーヒーとメントールの匂いは全く違います。しかし、もし嗅覚異常となれば、異常の種類によって、これら2つのどちらかを感じられないとか、2つを区別できないとか、どちらの匂いも分からないとか、様々な症状が現れます。ですからこの2つの検査用試料を用意して、被験者に別々に嗅いでもらって、それぞれが何の匂いであるかを当ててもらうテストは嗅覚生理の深い意味があるのです。2つの試料の作り方を巻物にしてみました。



 ざっとこんな具合にしてテスト用の試料を用意して、「嗅覚テストを受けてみたい」という人が居たら、是非ともお試し下さい。例え「異常なし」と出ても、それで100%安心というわけではありませんが、取りあえず一安心といった所でしょう。もし「異常あり」と出たら、PCR検査を受ける準備をするのですが、それよりもっと大切なことは、「もし本当に感染していたら・・・」と後で後悔しないように、ナイアシンの服用を始めることです。


●罹ったかなと思ったらナイアシン(ニコチン酸)を飲みなさい。


 新型コロナに感染すると、味覚・嗅覚の喪失、咳、発熱が三大徴候で、更にはだるさ、倦怠感があるとのこと。昨年3月、中伊英の共同研究で、感染しても重症化を防ぐためにVB3の服用が提案されました。「咳が出始めて感染が疑われたら直ちにVB3服用が望ましい」とのことです(詳しくは → こちら )。


 図1をご覧ください。この論文の影響が世界のあちこちで直ぐに現れました。その訳は、感染が判明したら直ぐにビタミンB3を投与するように具体的に書かれているからです。他の治療は症状が出てから始まるのに対して、VB3(高齢者と持病もちの人はニコチン酸が好ましい)は、「感染が疑われた時点から始めよう」というのです。

まず香港にある大病院OT&Pクリニックはそのホームページに、一般向けの解りやすいブログを掲載して解説しています(第433話を参照 → こちら )。米国のMcWヘルスケア社は「咳が出たら迷わずナイアシン」と明記しました(詳しくは → こちら )。「VB3は毒にならないので安心して飲みなさい」とも書いてあります。



 しかし残念なことに、日本では市販のビタミン剤「ニコチン酸」が販売中止になりました。そのため、コーヒー好きの人なら、ナイアシン(ニコチン酸)が入っている深く煎ったコーヒーを飲むか、ナイアシンを配合している唯一の国産薬、ノイビタZE(第一三共)を飲むしかありません。あるいは、米国産のサプリメントをネット購入できますが、この場合は偽物に気をつけないと副作用で悩むことになりかねません(第438話を参照 → こちら )。


●コーヒーの香りが変だと気づいたら、メントールがおかしいと感じたら、直ぐにナイアシンを飲みなさい。


 味の異常は自分で気づきますが、嗅覚の異常は自分では気づきにくいものだそうです。そこで簡単にできる客観的な嗅覚テストに意味があるのです。最近は以前より簡便にPCR検査を受けることができますが、それより前に普段から「嗅覚に気を配る」生活習慣を身につけましょう。普段から行きつけのコーヒー店でも、コーヒーテストの試料が置いてあれば試してみましょう。かかりつけ医や薬局でも試料があれば非常に役立つはずです。

 今増えつつある変異型ウイルスに勝つためにも、ナイアシンを飲んで、深煎りコーヒーを飲んで、苦くて嫌だというなら「希太郎ブレンド」にして、自然免疫力を高めておくのが一番です。飲んでも害はありません。


●その他、COVID-19にナイアシンを推奨する近着論文と信頼できる記事

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(第440話 完)