「非常に厳しい審判をいただいている」
報道各社の取材に応じた石破茂首相は抑揚のない声で言葉を絞り出した。一方、06年度補正予算の編成を公言するなど続投に意欲を示した。反石破陣営も「石破おろし」を仕掛けても早晩行き詰まることはわかっている。来夏の参院選直前まで露骨に動かない。
選挙の結果、比較第一党が政権の軸になるのはどの国でも変わらないが、衆院で与党よりも野党のほうが議席数が多い(35議席)のは小選挙区比例代表並立制以降では初めてだ。石破政権はまず能登地方の地震と水害に対する補正予算を組むことから始めるが、それ以外で何に手をつけるのか、まったく読むことができない。
そもそも石破政権が何をめざしているのか、就任1週間で解散したので、実のところわかっていない、というのが大半の見方である。
過去の話となってしまうのだが、仮に石破政権が事前に目標としていた「自公で過半数」を達成しても、どのような社会保障制度改革を描いたのだろうか。