アステラス製薬
【証券コード】4503 【上場】東証プライム



イクスタンジを軸に進捗率高い

24年度通期はコア営業益上振れ


 アステラス製薬の今24年9月中間期(IFRS=国際会計基準)は、売上収益が前年比22.0%増の9356億円、営業利益が69.9%増の937億円、コア営業利益(無形資産償却費、減損損失、リストラ費用などを除外)は36.2%増の1831億円で着地した。為替は1ドル=152円(前年比11円円安)となり、売上収益で548億円、コア営業利益で137億円を押し上げた。ただ、外貨建貨幣性資産/負債の評価替えにより為替差損122億円をその他費用(IFRSの営業利益に反映)に計上した。


 大幅増収の理由は、主力の前立腺がん薬「イクスタンジ」が907億円増の4517億円に伸びたことに加え、重点戦略製品である尿路上皮がん薬「パドセブ」、加齢黄斑変性薬「IZERVAY」、更年期障害薬「VEOZAH」、胃がん薬「ビロイ」、急性骨髄性白血病薬「ゾスパタ」の5製品合計で928億円増えたため。国内・海外別売上収益では、国内が伸び悩む一方、海外は米国でのイクスタンジ拡大などが寄与し27.4%増。海外売上比率は85.7%と前年比で3.6ポイント上昇した。



上期の貯金で通期上方修正


 今25年3月期通期について同社は期初計画に比べ、売上収益を1500億円、コア営業利益を500億円、営業利益を320億円、それぞれ増額した。イクスタンジは米IRAメディケアパートD再設計のマイナス影響を見込むが、上期の貯金が大きい。欧州申請を10月取り下げたIZERVAYを中心に無形資産の減損リスクがあり、減損損失を含む「その他費用」(期初計画600億円)に織り込んでいるため、IFRSの営業利益は下期が赤字計画となる。