シベプレンリマブ、第Ⅲ相の中間解析が好結果
大塚製薬は10月22日、IgA腎症治療薬「シベプレンリマブ」の第Ⅲ相試験「VISIONARY」の中間解析で主要評価項目を達成したと発表した。同薬投与9ヵ月後の24時間uPCR(尿蛋白/クレアチニン比)のベースラインからの変化が、プラセボ群と比較して統計学的に有意な減少を示した。今後、米国での早期承認申請に向けて米国食品医薬品局(FDA)と協議する。同薬はIgA腎症の発症と進行にかかわる免疫細胞増殖因子のサイトカイン「APRIL」を阻害する抗体で、米子会社ビステラが創製。第Ⅱ相の結果からFDAよりブレークスルーセラピー指定されている。
メタノール殺人、第一三共元社員の夫に懲役16年
東京地方裁判所(坂田威一郎裁判長)は10月30日、第一三共の元社員が自宅で「メタノール」を妻に飲ませたとして殺人罪に問われている事件で、元社員に懲役16年の実刑判決を言い渡した。証拠が残っておらず方法は「不詳」なものの、同社の研究員だった吉田佳右被告(42)が、妻(当時40)に致死量のメタノールを摂取させ、急性中毒で死亡させたと認定。病死などを装いやすいメタノールを準備する「高度の計画性」が認められ、中毒症状で苦しむ被害者を1日以上にわたって放置するという「強固な殺意に基づく冷酷な犯行」だと指摘した。事件では、普段通りの生活を送っていた妻の体調が、22年1月15日朝から急激に悪化。水風呂に入るなどの異常行動を繰り返していたが、吉田被告は翌16日の朝になるまで救急車を呼ばなかった。搬送先の病院で妻の死亡が確認され、解剖の結果、死因は「急性メタノール中毒」と判断された。検察側は、吉田被告が勤務先の研究所からメタノールを持ちだし、妻が愛飲する焼酎に混入して摂取させたと主張。懲役18年を求刑していた。
田辺三菱、ND0612の再申請を25年半ばに
田辺三菱製薬は11月1日、完全子会社のイスラエル・ニューロダームが開発したパーキンソン病治療薬「ND0612」について、25年半ばの再申請をめざすと発表した。6月に同薬の米国承認が叶わなかったことを公表していたが、米国食品医薬品局(FDA)との協議で、指摘事項となっていた成分のひとつである「カルビドパ」の安全性に関する追加情報の提供などを通じて再申請の見通しが立ったため。ND0612は、17年にニューロダ—ムを1214億円で買収した際に獲得した製品で、カルビドパと「レボドパ」を液剤化した持続皮下注製剤。
バイオ薬の製造受託工場、デンマークの設備が稼働開始
富士フイルムは11月5日、バイオ医薬品開発・製造受託に関する子会社がデンマーク拠点で約1000億円を投じた第1次投資設備の稼働を始めたと発表した。新たに2万リットルの動物細胞培養タンクを6基導入したほか、多品種のシリンジ用でデバイスの組立が可能な機器や自動ラベル貼付、梱包装置なども設置した。第2次投資では、2万リットルの動物細胞培養タンクをさらに8基取り入れる。投資額は約2000億円で、26年に稼働する予定。
ゾコーバ、曝露後発症予防試験で主要評価項目達成
塩野義製薬は10月29日、新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」について、発症抑制効果の検証を目的とした国際第Ⅲ相試験のうち、曝露後発症予防試験「SCORPIO-PEP」で主要評価項目を達成したと発表した。「治療薬投与開始から10日間以内に新型コロナウイルスに感染し、COVID-19症状を発症した被験者の割合」を主要評価項目に設定。ゾコーバ投与群はプラセボ群と比較し統計学的に有意な低下を示した。
協和キリン、東京科学大准教授が主任研究員に
協和キリンは10月24日、東京科学大学の門之園哲哉准教授が同社の主任研究員として着任したと発表した。研究者が、企業など2つ以上の組織に雇用され、働くことができる「クロスアポイントメント制度」を活用。これにともない門之園准教授は、同大教員でありつつ、同社東京リサーチパークでも研究に従事できるようになる。バイオ医薬品のデザイン技術に関する門之園准教授の高い専門性と、協和キリンが持つ創薬技術を融合することで、画期的な医薬品を継続的に創出することをめざす。協和キリンは昨年、東京科学大の前身である東京工業大学と共同研究と組織的連携のための契約を交わしている。今回の取り組みもその一環。
ドボベットの販売提携終了、レオ単独で
協和キリンとレオファーマは11月1日、尋常性乾癬治療剤「ドボベット軟膏」「同ゲル」「同フォーム」について、契約期間満了により販売提携を12月31日で終了すると発表した。これまでは製造販売をレオ、販売や医療機関への情報提供活動を協和キリンが担当し、両社でマーケティング活動を行ってきた。25年1月1以降はレオ単独で製造販売、マーケティング活動、医療機関への情報提供活動を進めていく。