11月24日に都内で行われた「がん患者学会2024」で、筆者は「保険外併用療養の拡大〜国民皆保険を次世代に引き継ぐために〜」のテーマで講演した。中心テーマはタイトルどおりの保険外併用療養のさまざまな方面への拡充だ。
5月の政府・経済財政諮問会議で、武見敬三厚生労働相(当時)が言及した、がん遺伝子パネル検査のタイミング変更(保険でのパネル検査は標準治療終了後の「後パネル」のみが対象だが、終了前に行うことで選択肢の拡大を図る)や、10月に導入された長期収載品の選定療養など、さまざまな方面の拡大可能性が議論されている。
議論を単純化すれば、「保険外併用療養の拡充には保険内・保険外を区分する基準、すなわち何を保険内でまかなうかの基準が必要となる」→「保険でまかなうか否かを評価できるシステム、すなわち費用対効果評価の制度を拡充すべき」となるが、現行の制度をそのままこのような「評価」に横滑りさせるには課題が多すぎることは、これまでにも述べてきた。