アナペイン注の後発品を前倒し収載、供給不安対策

 厚生労働省は11月12日、供給不安に陥っている長時間作用性局所麻酔剤「アナペイン注」の後発品を特例的に収載した。テルモが8月に承認を取得した「ロピバカイン塩酸塩0.75%注『テルモ』」で、薬価は75㎎/10㎖が260円、150㎎/20㎖が520円。厚労省によると、収載後すぐにテルモが供給を開始、これによりアナペインが供給不安に陥る前の供給量が確保できるとした。本来であれば後発品の収載は6月と12月の年2回だが、1ヵ月前倒しで対応した。12月の収載はアナペインの後発品以外で通常通り実施する。

メスチノン不適切行為で再発防止策を策定

 共和薬品は11月15日、重症筋無力症治療剤「メスチノン錠60㎎」の一部変更承認申請時における不適切行為について、外部の弁護士を交えた社内調査が完了し、再発防止策を策定したと発表した。全社的なコンプライアンス教育訓練を実施するなど法令遵守意識を再徹底させるとともに、再試験の実施・記録に関する手順の見直し・周知徹底といった管理体制を強化する方針。メスチノンをめぐる不適切行為は4月に公表。09年に処方や製法などの一変申請を行うために実施した加速安定性試験で、規格に適合しない結果だったにもかかわらず、適合するまで再試験をくり返して正式な申請資料として提出していた。

ファイザー新社長に五十嵐COO

 ファイザーは11月18日、COO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)の五十嵐啓朗氏が新社長に就任すると発表した。25年1月1日付。現社長の原田明久氏は会長に就く。五十嵐氏は、ボストン・コンサルティング・グループで経営コンサルタントとして勤務後、12年にバイエル薬品に入社。17年から米国に出向し、ヴァイス・プレジデントとしてがん領域などの事業に携わった。20年から経営コンサルのKKRキャップストーンジャパン社長、22年9月にMSDの副社長執行役員オンコロジー部門統括に就任し、今年8月にCOOとしてファイザーに入社した。

ベクティビックスを適応追加申請、併用療法で

 武田薬品は11月8日、抗EGFR抗体「ベクティビックス」について、国内での適応追加申請を行ったと発表した。新たな適応は「KRAS G12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」で、アムジェンのKRAS G12C阻害剤「ルマケラス」との併用療法で用いる。ベクティビックスは、米アムジェンから武田が国内導入した製品で、KRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の大腸がんの治療剤として10年に発売している。

MSD、肺動脈性高血圧症でソタテルセプト申請

 MSDは11月14日、アクチビンシグナル伝達阻害剤「ソタテルセプト」(一般名)について、肺動脈性肺高血圧症の適応で国内申請したと発表した。同患者を対象に海外で実施した第Ⅲ相試験「STELLAR」と国内第Ⅲ相試験などの結果をもとに申請した。同剤は血管構成細胞の増殖を促進するシグナル伝達経路に関わるアクチビンを捕捉することで同細胞の増殖を制御し、血流を改善する。3月に米国食品医薬品局(FDA)から、8月には欧州委員会からも承認を得ている。

旭化成ファーマ、抗CX3CRI抗体を導入

 旭化成ファーマは11月20日、カイオム・バイオサイエンスが創製したヒト化抗CX3CRI抗体(開発コード:「PFKR」)について、独占的ライセンス契約を締結したと発表した。旭化成ファーマは同剤の全世界での開発、製造、販売を行う独占的な実施権を獲得。同社はカイオムに対し、契約一時金と今後の開発と販売の進捗に応じたマイルストンを最大約248億円支払うほか、売上高に応じたロイヤリティを支払う。カイオムのパイプラインで現在、非臨床段階にあるPFKRは「自己免疫性神経疾患」などを対象疾患領域としている。旭化成ファーマは今後開発を進める対象疾患について、自己免疫性神経疾患も含め「幅広く検討する」と説明した。