米ロケット・ファーマシューティカルズは、LAMP2遺伝子変異に起因する希少なX連鎖性遺伝性疾患ダノン病に対するRP-A501遺伝子治療の第Ⅰ相試験の結果、有望な長期結果が得られたと発表した。第Ⅰ相試験では男性ダノン病患者7人(低用量5人、高用量3人)を対象にRP-A501を評価した。その結果、小児患者においては24ヵ月まで、成人・青年患者においては60ヵ月までの追跡調査において、臨床的に意義のある改善が持続した。評価可能なすべての患者で、12ヵ月後までに心臓LAMP2タンパク質の発現が認められ、左室(LV)質量指数はベースラインから中央値で24%減少し、LV駆出率は正常に保たれ、心臓バイオマーカーは有意に安定、減少した。さらにQOLスコアは中央値で27ポイント改善し、重症度を評価するNYHA心不全クラスはⅡからⅠに移行した。また治療5年後に1人の患者の心臓でグレード3のタンパク質発現が認められ、この治療法の持続的有効性データを補強した。
安全性の面では、同遺伝子治療の忍容性は概して良好で、ほとんどが軽度または中等度の重篤でない有害事象で、管理可能だった。ベースラインの重症心不全患者1人は、治療後5ヵ月目に病勢進行のため移植が必要となった。
ロケットは9月にダノン病に対するRP-A501の早期承認に向け重要となる第Ⅱ相性試験で、米国食品医薬品局(FDA)と提携した。