中国ロナ・セラピューティクスは、PCSK9標的siRNA薬「RN0191」が第Ⅰ相試験で好結果を得たと発表した。単回投与後のPCSK9とLDL-Cの顕著な減少を確認した。第Ⅰ相試験では18〜60歳の健康な被験者32人を対象に、RN0191を60㎎〜600㎎の範囲で単回投与する群とプラセボを投与する群に割り付けた。その結果RN0191投与群はプラセボ投与群と比較し、PCSK9が最大95%、LDL-Cが最大74%、それぞれ低下したことが認められた。平均ではそれぞれ87%、56%の低下を示した。さらにRN0191群では6ヵ月後も42%のLDL-C低下を維持し、年2回投与に適していることが示された。加えてRN0191群ではApoB、リポタンパク(a)non-HDL-Cと総コレステロールの有意な減少も示した。安全性に関しては重篤な有害事象はなく、すべての用量で軽度かつ短期の副作用が報告されたのみだった。
学術集会では、点鼻薬式の利尿剤「ブメタニド」が標準療法と同様に心不全による組織の腫脹を効果的に軽減する可能性があるというデータが米コーン・ヘルスの研究者により発表された。RSQ-777-02治験は健康な被験者68人を対象にブメタニドの新しい鼻腔スプレー剤形を検討したもの。治験の結果、同鼻腔スプレーは効果的に吸収され、経口剤と比較し治療に起因する有害事象は少なかった。経口と静脈内投与製剤と比較し、点鼻スプレー製剤は、同程度の尿量をもたらした。またブメタニド点鼻薬の血中濃度は経口剤と比較して同等で薬の吸収は33%速かった。点滴製剤の吸収速度は経口・経鼻製剤のいずれよりも速かったが、尿中ナトリウム排泄の開始は経鼻製剤のほうが速かった。経鼻剤と静注剤の吸収率のばらつきは27%だったのに対し、経口剤では40%以上だったことから、経鼻剤と静注剤は安定した投与経路であることが示唆されるという。