4月に薬価全面改定が実施された24年(1〜12月)。市場調査会社IQVIAがまとめた売上高データを見ると、好調な製品があるとともに、不採算品再算定に伴う薬価引き上げの「特需」を受けた企業もあった。一方、市場拡大再算定の共連れルールによる強制引き下げに苦しんだ企業もあり、官製市場の威力を感じた1年だった。


 医薬品業界は24年4月1日に▲4.67%(薬剤費ベース)の薬価改定を受けた。本誌の調査では、小野薬品工業と持田製薬が9%台の引き下げ、アステラス製薬が約8%だったが、Meiji Seikaファルマは主力の抗菌薬「スルバシリン静注用1.5g」が不採算品再算定を受け、改定率が「+1%半ば」となった。


 表1は日本医薬品市場だ。合計は11兆5037億1300万円で2.0%増と、薬価全面改定にもかかわらずの伸びとなり、過去最高を記録した。内訳は病院市場が2.3%増の5兆4109億9000万円、開業医市場が3.2%増の2兆1690億5600万円、薬局その他が0.8%増の3兆9236億6700万円だった。