『医薬経済』9月15日号より、「スマートホスピタル 医療DXの潮流 第6回」を特別公開!



 今回は病院を出て、国内でも珍しい在宅支援にロボットなどの先進機器を活用する取り組みについてお伝えする。800人を超えるスタッフを抱える、国内最大規模のリハビリテーション部門を持つ藤田医科大学ならではの先駆的な取り組みだ。


「ブラインドを上げて」。そう手のひらサイズの小型ロボットに話しかけると、部屋のブラインドが上がる。


 愛知県豊明市の豊明団地内に、藤田医科大が高齢者の在宅生活をサポートするためのロボットなどの先進機器の実証実験を行う「ロボティックスマートホーム(RSH)」がある。RSHでは、高齢者が安心して安全、快適に生活できるように、移動や乗り移りを支援するロボット、IoT連携などを活用した生活支援ロボット、居住者の負担なく行動を測ることができるセンサーなどさまざまな支援機器を開発し、実証実験を通じて製品化をサポートしている。


 高齢化が進むなか、在宅生活を望む高齢者が多くいる一方で、在宅介護の担い手の減少は全国的な課題だ。藤田医科大は新しい在宅支援のかたちをつくるため、16年に「ロボティックスマートホームプロジェクト」を開始した。翌年、豊明団地内にRSHを開設(写真)。さらに翌年、開発拠点として「ロボティックスマートホーム・活動支援機器研究実証センター」を大学内に開設した。まず大学内で研究開発を行い、実用段階に達したらRSHで高齢者に試用してもらい、実証を基にさらに開発、製品化を進めるというプロセスをとっている。


                   

豊明団地の集会所だった建物の2階に開設された藤田医科大学ロボティックスマートホーム