シリーズ『くすりになったコーヒー』
去る3月27日、東京ミッドタウンにあるHリッツカールトンで、花王株式会社の「体脂肪を減らす」特保ヘルシアコーヒー発表会に行ってきました。1ヶ月間モニター10万人募集中です(詳しくは → こちら )。
●「降圧コーヒー」かと思ったら、「脂肪低減コーヒー」のことでした。
思い出してみますと、2009年に書いたブログ・第32話のテーマは、コーヒーで血圧を下げる話でした。花王が長年研究してきた降圧コーヒーが特保の権利を取得したときのことです。あれから4年も経って、ようやく発売にこぎ着けたのは、研究実績豊富な「降圧コーヒー」ではなく、なんと「脂肪低減コーヒー」のほうでした。一体全体その訳とは?
日経ヘルスの大屋奈緒子氏もこの点に注目して書いています(詳しくは → こちら )。
まあ、「後から目をつけたほうが本命」という話は他にも色々ありますから、そこは深読みせずに話を進めましょう。
●「健康日本21」は、10年を経て第2ラウンドに入った(詳しくは → こちら )。
上図をご覧ください。これは厚労省ホームページに載っている「第2次健康日本21」からの引用です。第1次で「メタボ検診」が実現したものの、依然として生活習慣病は増える一方、減る兆しは見えません。NCDとは世界保健機構が使っている病気分類用語ですが、ここでは「よくある困った生活習慣病」程度の理解で十分です。
●COPD(睡眠時無呼吸症)を除けば、コーヒーでリスクを下げられる。
国内外の疫学調査で、「コーヒーの病気リスク軽減効果」は明らかなのに、厚労省も地方自治体も、「コーヒーを飲んで病気を予防しよう」とは言いません。昔から言われている野菜なら、「1日300グラムを食べましょう」と盛んにPRしているのに、何故「食後にコーヒーを飲みましょう」と言わないのでしょうか?
●東京の国立がん研究センターも、関西の国立循環器病センターも、コーヒーが病気を予防することに太鼓判を押している。
それでも国も地方自治体も決して「コーヒーを飲みましょう」とは言いません。しびれを切らした大手食品メーカーが、「ヘルシアコーヒー」を売り出す理由がわかります。「脂肪低減コーヒー」なら、高血圧だけでなく、糖尿病、心臓病、肝臓病、癌・・・などなど、あらゆる生活習慣病を予防できる可能性があるのです。
しかし、1つだけ問題があります。
●「ヘルシアコーヒー」は、HHQという悪玉成分を除去することで成功した(詳しくは、第81話、第97話を参照)。
この除去の仕方を、家庭や喫茶店で淹れるレギュラーコーヒーに応用できないものか?そうすれば、コーヒーの病気予防効果は、もっともっと世のため人のためになるはずです。
今回の「ヘルシアコーヒー発表会」で、強く感じたことでした。
(第168話 完)
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