バイタルデータのチェックは、異変に気づくための看護の基本業務ながら、顕在化しつつある人手不足を考えると、省力化は時代の要請だろう。この観点から見て興味深い論文が、10月の『Device』誌に掲載された。


 絆創膏のように皮膚に密着する柔らかいフィルム上に、心電センサ、皮膚温度センサ、呼吸センサ、皮膚湿度センサ、加速度センサ、ブルートゥース発信機、電源を集積、そのセンサパッチから情報を受け取ったスマートフォンが瞬時に自動解析して画面表示する、そんなシステムを構築したというのだ。


 装着時の異物感をなくしたことと、コンピュータに接続なしのスマホのみで完結する「エッジAIシステム」としたことによって、いつでもどこでも負担を感じさせることなく連続計測できるのがセールスポイントだ。これら複数のバイタルサインを同時かつ連続的に得られると、どんなことがわかるかは今後の研究テーマでもあるようだが、差し当たって転倒の検知には精度高く成功し、咳や不整脈もそれなりに検知できたらしい。


 システム開発を主導したのが、竹井邦晴・北海道大学大学院情報科学研究院情報エレクトロニクス部門教授(写真)だ。フィルム上に半導体を印刷してウェアラブルデバイスへと仕立てる研究で、我が国をリードしてきた。