エーザイ、NCNPと共同研究契約で締結
エーザイは11月26日、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)と共同研究契約を締結したと発表した。NCNPが代表研究機関として実施する日本医療研究開発機構(AMED)の認知症研究開発事業で、アポリポタンパク質E(APOE)遺伝子検査を実施するために提携した。APOE遺伝子は、同社の「レケンビ」のような抗アミロイドβ抗体治療で生じる重大な副作用「アミロイド関連画像異常」の発現頻度に関連があるとされる。国内では、APOE遺伝子検査は未承認で、保険診療のなかでの情報収集を行うことが認められていない。そのため、AMED事業を通じてAPOE遺伝子情報を収集し、レカネマブ治療との関係性の知見蓄積をめざす。
中外製薬、営業本部の組織改正で支店増加
中外製薬は11月25日、営業本部で組織改正を行うと発表した。25年1月1日付。これまで統括支店長の下に各支店長を置いていたが、改正後は「オンコロジー支店長」と「スペシャリティ支店長」に変更する。領域ごとに支店長のポストを設けることで「専門性の強化を高め、医療関係者との深いディスカッションを行う」ことをめざす。同社広報によると、今回の組織改正に伴う営業本部の人数の増減は「非開示」。現在、全国に30支店を展開しているが、組織改正によって34支店に増える。今回の営業本部の組織改正は、成長戦略「TOPI(トップアイ)2030」の達成に向けて行うもの。
大塚製薬、ベムペド酸を国内申請
大塚製薬は11月26日、高コレステロール血症治療薬「ベムペド酸」(一般名)を国内申請したと発表した。適応は「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」。同社が行った国内第Ⅲ相試験の結果に基づく。主要評価項目の投与12週間目のLDL-Cのベースラインからの変化率がプラセボ群で3.46%減に対し、同薬群では25.25%減と有意差を示していた。同剤は、米エスペリオンセラピューティクスの創製品で、20年に国内での独占的開発権と販売権を取得した。
武田薬品、フリュザクラの国内販売を開始
武田薬品は11月22日、経口の抗がん剤「フリュザクラ」について、国内での販売を始めたと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」。中国ハチメッドから導入した、3種類のVEGF受容体に対する選択性をもつ経口阻害薬。武田は中国以外での全世界を対象とした開発、商業化、製造に関する独占的ライセンスを取得している。中央社会保険医療協議会の資料によると、ピーク時売上げは7年目に25億円。
テルモ、昇圧薬を協和キリンから承継・販売移管
テルモは12月2日、協和キリンから昇圧薬計7品目について承継および販売移管を受けると発表した。協和キリンが製造販売承認を持ち、同社が販売してきたドパミン塩酸塩注射液「イノバン」4品目については、テルモが承継。一方、テルモが製造販売承認を持ち、協和キリンに販売委託してきた希釈型ドブタミン塩酸塩注射液「ドブタミン」3品目に関しては、テルモによる自社販売に切り替える。これまでテルモは周術期に広く用いられている製剤として、降圧薬や麻酔鎮痛薬を展開してきたが、今回、昇圧薬を製品ラインアップに加えることで、周術期におけるソリューション提案力をさらに強化するとしている。
住化、日本メジフィジックスの全株式をGEに売却
住友化学は12月2日、放射性医薬品の製造販売を手掛ける日本メジフィジックスの全株式を折半出資しているGEヘルスケアに売却すると発表した。株式譲渡日は25年3月末を予定。これに伴い、住友化学は25年3月期第4四半期決算に譲渡による収益として約300億円を計上する。1973年の日本メジフィジックスの設立以来、経営に参画してきたが、さらなる成長を果たすには診断用医薬品や医療機器に関する幅広いラインアップを持ち、グローバル展開するGEヘルスケアに託すのが最善と判断し、売却を決めたとしている。