武田薬品、希望退職に約680人応募
武田薬品は3月3日、希望退職・転職を支援する「フューチャー・キャリア・プログラム」を実施した結果、約680人が応募したと発表した。対象となったジャパンファーマビジネスユニット(JPBU)から約570人、日本のR&D組織から約100人が応募した。退職日は2月28日付。24年10月にJPBUの事業運営体制を見直すと公表後、JPBU全組織、日本のR&D組織のうち武田が指定する組織所属で勤続年数が3年以上の従業員を対象に、人数は設定せず、同年12月に募集していた。JPBUは今年4月以降、ワクチンと既存製品の情報提供活動を担う「第一事業部」、消化器系・炎症性疾患領域、精神神経疾患領域、希少疾患領域と血漿分画製剤の情報提供活動を担当する「第二事業部」に再編。各事業部は、それぞれの管轄する疾患領域の特性やMRあたりの担当範囲などに応じた地域編成を行い、第一事業部は全国4リージョンに、第二事業部は8リージョンに区分するとしていた。
ブラックストーンがシミックを子会社化
米ブラックストーンは3月3日、同社の運営する投資ファンドを通じてCRO大手のシミックを子会社化すると発表した。シミックの株式のうち60%をブラックストーン、残り40%をシミックホールディングスがもつ戦略的資本提携で合意した。予定日は5月1日。買収総額は数百億円規模に上るとみられる。シミックHDは創業家が経営陣による買収(MBO)を実施し、24年3月末で上場廃止していたが、ブラックストーンが未公開株を得ることになった。両社は今後、再上場をめざすとしている。
塩野義と大阪公立大が感染症分野で連携
塩野義製薬と大阪公立大学は3月3日、感染症分野で包括的な連携を行うことを目的に協定を締結した。大阪市内で開かれた締結式に出席した塩野義の手代木功社長は、臨床研究ネットワーク構築や人材育成、共同研究などの展開に期待を寄せながら、母体である大阪府・市行政との連携に大きな意味があると指摘。官民で新興感染症のパンデミックに備える「大阪モデル」の構築に意欲を示した。大阪公立大は旧大阪市立大と旧大阪府立大の統合後に、大阪国際感染症研究センターを設置。医学部、獣医学部、理学部など理系学部全般と文系学部の「総合知」を活用した「マクロ感染症学」の研究組織としてアピールしている。
エーザイ、タスフィゴを中国企業に導出
エーザイは2月28日、自社創製のFGFR選択的チロシンキナーゼ阻害剤「タスルグラチニブコハク酸塩」(国内製品名「タスフィゴ」)について、中国のサイクロンファーマシューティカルズに、中国・香港・マカオ・台湾における開発、販売に関する独占的権利を供与するライセンス契約を締結したと発表した。契約により一時金のほか、開発や薬事の進捗に応じたマイルストンと上市後の販売マイルストン、売上収益に応じたロイヤリティを受領する。同剤は国内で「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」の適応で24年11月から販売している。
武田薬品、ルスフェルチドの第Ⅲ相が好結果
武田薬品は3月3日、米プロタゴニスト・セラピューティクスから導入した瀉血依存の真性多血症治療薬「ルスフェルチド」の第Ⅲ相試験「VERIFY」で良好なトップライン結果が得られたと発表した。同薬治療群の臨床的奏功割合は77%で、プラセボ群の33%と比較して有意に高い値を示し、主要評価項目を達成。欧州では主要評価項目にも設定されている主要な副次評価項目も満たし、忍容性についても「おおむね良好」だったと明かした。ルスフェルチドは、24年2月に武田がプロタゴニストから全世界での開発・商業化ライセンスを導入。契約一時金3億ドルを支払っていたが、今回の進捗を受け、2500万ドルの追加支出が発生する予定だ。